民泊とは何か?種類や法律、始め方を初心者向けに簡単解説!
2024.12.27民泊運営・清掃近年、日本では原野や空き家といった、価値を生み出さない土地が増加傾向にあり、深刻な社会問題として取りざたされています。
所有している不動産を放置すると固定資産税が6倍になる可能性があるため、所有者は何らかの用途で利用しなければなりません。
そのため、近年では土地や不動産を第三者に貸し出す、「民泊」ビジネスが見受けられるようになりました。
本記事では、民泊とは何かについて、種類や法律、始め方について解説します。
民泊とは
厚生労働省によると「民泊」についての法令上の明確な定義はありませんが、不動産の全部または一部を第三者に貸し出すことを指します。
近年、インターネットを通じて空き室を短期間で貸したい人と借りたい人をマッチングするサービスが増加しています。
訪日外国人の多様なニーズに対応したり、少子高齢化により増加している空き家を有効活用したりすることによる地域活性が目的です。
民泊の歴史
かつて民泊は善意で行われるものであり、第三者に一宿一晩を提供していたのが始まりといわれています。
しかし、現代では上記のような取り組みはほとんど行われることはなく、ホテルや旅館を利用する傾向にあります。
時代は流れ、近年では訪日外国人や空き家の有効活用を目的として、民泊を運営するオーナーが多くなりました。
民泊に関する法律
民泊に関する法律のなかには「民泊新法(住宅宿泊事業法)」という法律のほか、旅館業法や国家戦略特区法が含まれます。
これらは所轄となる省庁や住宅地などでの営業の可否、最低床面積などが異なります。
民泊新法は国土交通省・厚生労働省・観光庁が管轄省庁であり、年間提供日数が180日以内と制限されています。
一方、国家戦略特区法については自治体ごとに営業の可否が異なり、宿泊日数は2泊3日以上の滞在が条件となります。
また、市街地やベッドタウンに設けられている民泊については、事前に近隣住民への説明が求められています。
そのため、民泊を運営したくても自治体の許可が下りなかった場合、運営できないことがあるのです。
民泊の種類
民泊および関連する施設については、先述した民泊新法・旅館業法・国家戦略特区法によって分けられます。
民泊となる法律は民泊新法と国家戦略特区法であり、旅館業法は旅館やホテルなどが該当します。
下記、それぞれの法律に関する詳細です。
住宅宿泊事業法 (民泊新法) |
旅館業法 (簡易宿所) |
国家戦略特区法 (特区民泊にかかる部分) |
|
所管省庁 | 国土交通省 厚生労働省 観光庁 |
厚生労働省 | 内閣府 (厚生労働省) |
許認可等 | 届け出 | 許可 | 認定 |
住専地域での営業 | 可能 条例により制限されている場合あり |
不可 | 可能 |
営業日数の制限 | 年間提供日数180日以内 (条例で実施期間の制限が可能) |
制限なし | 制限なし 2泊3日以上の滞在が条件 |
宿泊者名簿の作成・保存義務 | あり | あり | あり |
玄関帳場の設置義務 | なし | なし | なし |
最低床面積、最低床面積の確保 | 最低床面積あり (3.3 ㎡/人) |
最低床面積あり | 原則25㎡以上/室 |
衛生措置 | 換気、除湿、清潔等の措置、定期的な清掃等 | 換気、採光、照明、防湿、清潔等の措置 | 換気、採光、照明、防湿、清潔等の措置、使用の開始時に清潔な居室の提供 |
非常用照明等の安全確保の措置義務 | あり 家主同居で宿泊室の面積が小さい場合は不要 |
あり | あり (6泊7日以上の滞在期間の施設の場合は不要) |
消防用設備等の設置 | あり 家主同居で宿泊室の面積が小さい場合は不要 |
あり | あり |
トラブル防止措置 | 必要(宿泊者への説明義務、苦情対応の義務) | 不要 | 必要 |
不在時の管理業者への委託業務 | 規定あり | 規定なし | 規定なし |
立地規制 | なし(住宅扱い) | あり | 区域計画に定める |
民泊ビジネスの始め方
民泊ビジネスを始める際は、下記の流れで進行します。
- 物件を借りて民泊ビジネスをする際、民泊ができる物件を探す
- 消防設備の要件を満たす
- 民泊管理を代行してくれる、住宅宿泊管理業者と契約を締結する
- 民泊の届け出を提出する
- 内観や外観などの写真を撮影し、ホームページや予約サイトなどに掲載する
まずは物件を探す必要がありますが、民泊新法や国家戦略特区法のほか自治体にも確認しておく必要があります。
自治体によっては民泊運営を許可していないところがあるため、好条件の物件があっても運営できないことがあるのです。
物件が決まったあとは利用者の安全を確保するため、消防設備を充実させてから自治体に届け出を提出、物件を確認してもらいます。
また、民泊はオーナー自身でも管理ができますが、清掃などの管理は手間がかかるため、管理会社と契約するのが一般的です。
集客や告知も行ってくれる管理会社があるため、自分に合った条件の企業を数社選んで比較し、その後決定しましょう。
民泊を始める際の流れから申請・準備などの詳細はこちらの記事で解説しています。
参考ページ:当社コラムページ「民泊の始め方マニュアル|運営開始までの手順や費用、注意点まで解説」
おわりに
本記事では、民泊とはどのようなものなのかについて解説しました。
厚生労働省によると「民泊」についての法令上の明確な定義はありませんが、不動産の全部または一部を貸し出すことを指します。
訪日外国人の多様なニーズに対応したり、少子高齢化により増加している空き家を有効活用したりすることによる地域活性が目的です。
民泊および関連する施設については、先述した民泊新法・旅館業法・国家戦略特区法があり、それぞれで条件が異なります。
民泊を始める際は、その物件で民泊ができるかの確認から始めましょう。
参考ページ:厚生労働省ホームページ「はじめに「民泊」とは」
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【民泊運営専門家】榊原 啓祐(さかきばら けいすけ)
ハウスクリーニングや壁紙再生事業でフランチャイズ本部事業等を立ち上げ、僅か5年で400店舗以上を出店。民泊事業には2015年8月に参入し、現在では民泊運営と共に、リゾート地での貸別荘もスタート。ハウスクリーニングの経験から、民泊清掃の第一人者でもあり、これからの民泊業界を牽引する若き経営者。
【民泊運営アドバイザー】田尻 夏樹(たじり なつき)
バチェラー3に出演。温泉ソムリエの資格を持ち、観光系インフルエンサーとしての経験から宿泊業、民泊業に参入。 地域の魅力やおすすめスポットを発見し、快適な滞在に関する情報の発信も。
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