貸別荘経営の始め方|開業までの流れや手続きのポイントなどを全解説
2023.10.04民泊運営・清掃近年では働き方改革や流行病などによって、都会とは離れた場所に別荘を所有する方が多くなりました。
しかし、多くの場合、別荘は住宅ほど高頻度で使わないものです。
そのまま放置しているとムダな出費が発生するほか、害虫や汚れの蓄積といったトラブルに発展してしまうことがあります。
そのような場合、別荘を貸し出して収益を得ようと考える方は多くいらっしゃることでしょう。
本記事では、貸別荘経営の始め方について、開業までの流れや手続きのポイントなどとあわせて解説します。
貸別荘経営を始めるまでの流れ
自分が所有している別荘を貸別荘として経営する際、下記の流れに沿って始めます。
- 貸別荘を始められるのかを調べる
- 行政に各種手続きを行う
- リフォームや設計、施工など利便性の向上を考える
- 施工会社を見つけ、見積もりを取ってから着工する
- 運営・清掃に関する代行会社を見つける
- 運営開始
ここからは、それぞれの作業について詳しくご説明します。
貸別荘の運営が可能か確認する
貸別荘経営を始めるためには、自分が所有している別荘が第三者に貸し出せるのかを確認しておく必要があります。
実は、自治体によっては貸別荘に関する規制が設けられていることがあるため、貸し出せないことがあるのです。
また、貸し出すことができても収益を得られないことがあるため、どの程度の利益が見込めるのかを計算しておかなければなりません。
別荘としての賃貸の可否については、下記を確認しておきましょう。
用途地域の確認
用途地域とは、都市計画法に基づいて土地の使用方法を決めているものを指します。
こちらが設定されることによって、運営の可否や旅館業免除の取得などが変わります。
下記、国が定めている用途地域の一例です。
- 第1種住居地域 :3,000平方メートルまでの店舗・事務所・ホテルなどを建てられる地域を指します。
- 第2種住居地域 :10,000平方メートルまでの店舗・事務所・ホテル、パチンコ店などを建てられる地域です。
- 準住居地域 :道路の沿線に指定され、自動車関連施設などを建てられる地域になります。
- 近隣商業地域 :駅周辺や商店街といった、商業地域周辺の国道や県道などを指します。
- 商業地域 :ターミナル駅や大都市の都心部といったエリアが対象となります。
- 準工業地域 :危険性や環境の悪化が考えられる工場などが建てられるエリアです。
一般的に、貸別荘を運営する際は住宅が建てられる用途地域であれば申請することができます。
収益性の確認
貸別荘経営は、マンションや戸建てのように賃貸で第三者に貸し出すのではなく、1日単位で別荘を貸し出して収益を得ることができます。
毎月決まった金額の収益を固定で得られるわけではなく、繁忙期や閑散期、別荘の人気などによって多かったり少なかったりします。
しかし、別荘を所有しているだけで、清掃や設備の動作確認などを怠ると満足度は下がってしまい、収益を得ることができません。
そのため、貸別荘を経営する際には毎月の光熱費だけではなく、下記の費用が発生します。
- 管理費
- 修繕費
- 清掃代
- 運営代行費用
- 固定資産税
- 都市計画税
貸別荘を経営する際には、これらの要素を考慮して利用料を考えなければなりません。
外見や内見、設備などを常に最善の状態に保つことが、高い収益を得るための方法だといえます。
事業計画書を作成する
貸別荘を経営することができ、収益を得られることを確認したあとは事業計画書や資金計画書を作成します。
これらは別荘経営が始まったあと、具体的にいくら稼ぐことができるのか、どの程度かどうするのかを明確にするものです。
下記、事業計画書や資金計画書を作成する際に確認しておくべきポイントです。
- 周辺にある貸別荘の稼働率
- オンシーズン・オフシーズン時の稼働率
- 貸別荘を利用すると予想されるお客様の性別・年齢・お住まいの地域
- 1回利用するたびに得られる収益・客単価
- 宿泊需要
- 駐車場などの必要設備の有無
- 運用を始めるにあたり必要となる予算や、運用までのスケジュール
別荘によっては夏や冬に需要があるなど、シーズンによって利用者数が異なるものがあります。
たとえば、夏には多くの利用者が集まってもその他の季節ではあまり集まらない、といったことが挙げられます。
そのような別荘は安定した収入を得ているとはいえず、出費のほうが多くなる月が発生することがあります。
そのため、貸別荘を運用する際は季節の影響を受けにくく、安定して利用者がいることも考慮する要素のひとつです。
行政の必要な手続き・申請を行う
事業計画書や資金計画書を作成し、十分に収益を得られる予定ができたあとは各行政施設に書類を申請します。
窓口の営業時間に合わせて申請をしなければならないため、申請作業は多くの時間を要する作業です。
そのため、申請作業を行う際には少し余裕を持ち、スムーズに行うためには事前に準備をしておくことをおすすめします。
下記、貸別荘経営を行う際に必要な申請一覧です。
- 別荘経営に関する、各自治体の条例の確認
- 建築基準法に基づく用途変更
- 消防法の確認
- 旅館業法に基づく構造確認
- 旅館業法に基づく項目の許可申請
貸別荘経営は、利用者に快適に過ごしてもらうだけではなく、安全性が求められます。
別荘や旅館といった宿泊施設では、一般的な住宅よりも高機能な消防設備などが必要です。
そのため、専門家などに相談して条件を満たさなかった場合、後述するリフォームやリノベーションが求められることがあります。
申請作業は個人でも実施できますが、間違いがあれば何度も申請しなおさなければならないため、多くの手間が発生します。
自分では難しいと感じた場合、費用は掛かりますが専門家に相談することで比較的スムーズに申請を行うことが可能です。
リフォームや設計を考える
リフォームやリノベーションは必ず行わなければならない作業ではありませんが、必要となることは多いでしょう。
先述の通り、別荘や旅館といった宿泊施設では、一般的な住宅よりも高機能な消防設備や安全性が求められます。
特に、山間部や海沿いといった劣化が進行しやすいエリアにある別荘では、修繕が必要となる可能性は高いでしょう。
劣化した箇所を修繕し、利用者が安全かつ快適に利用できるようにリフォームや設計について考えておく必要があります。
しかし、ほとんどの方は建築技術や安全性の知識に明るくないことでしょう。
一見問題ないような別荘でも、実は内部の腐食が侵食していて、いつ倒壊してもおかしくないようなものがあります。
ほとんどの場合、自分で判断することは難しいため、施工会社や建築士といった専門家にリフォームの有無を相談します。
施工会社を探す
リフォームやリノベーションの要不要だけではなく、デザインを変えたい場合も施工会社に依頼をします。
別荘や旅館は一般的な住宅とは異なる基準の安全性が求められるため、工事費用が気になるところです。
施工会社を探す際のポイントとしては、1社のみに話を聞くのではなく、複数社に声を掛けて相見積もりを取ることです。
考えたくはありませんでしたが、施工会社のなかには不必要な工事を行うことにより、費用を上乗せするところがあります。
こちらは一般的な住宅だけではなく別荘や旅館などを対象とした場合も同様で、初期費用を圧迫する要因です。
特に、1社だけの場合に起こりやすく、気づけば高額な費用を支払っていたというオーナーは少なくありません。
複数社に相見積もりを取ることで、本当に必要な工事は何なのか、どの業者が最も費用が安いのかを比べることができます。
また、リフォームを行う際には、工期の延長を視野に入れておきましょう。
別荘がある土地は台風や土砂崩れといった、自然災害の影響を受けやすいことがあります。
施工会社は作業中の安全を考慮するため、雨の日などには作業を行わないことがあり、その結果工期が遅れることが考えられます。
開業希望日がある場合、相見積もりを取っているときに工期を間に合わせることができるのかを確認しておきましょう。
運営・清掃会社を探す
貸別荘を経営する際、オーナーやご家族自身が清掃やメンテナンスを行うことができます。
外注費用を抑えられる一方、利用者からの問い合わせに24時間いつでも対応しなければならないといった問題があります。
ほとんどオーナーは自分で対応をせず、運営や清掃を業者に依頼して代行してもらっています。
下記、運営代行業者や清掃代行業者が行ってくれる業務の一例です。
- 利用者からの問い合わせ対応
- シーツの洗濯・取り換え
- アメニティの補充
- 清掃
- 予約確認 など
施工会社を選ぶ際と同様に、運営代行業者や清掃代行業者も多く存在するため、相見積もりを取って金額やサービスを比べましょう。
当社ではハウスクリーニング事業で培ったノウハウを活かして、オーナー様の大切な別荘をキレイに仕上げます。
別荘の状態は、お客様の気持ちや口コミといった、収益に直結する要因です。
そのため、当社では細部にわたって徹底的にキレイに仕上げることを心がけております。
当社ホームページ:民泊清掃サービス
運営開始
これらをすべて行ったあと、アメニティなどを準備してお客様を集客すれば運営を始めることができます。
貸別荘の経営を成功させるためのポイント
下記、貸別荘の経営を成功させるためのポイントです。
- 事業計画を考える
- エリア・収益性を事前にリサーチする
- 申請・施工・運営・清掃はプロに任せる
要約すると、十分な収益を得られるのかと、自分で行う作業はできるだけ減らすことが挙げられます。
民泊運営は誰でも行うことができますが、経営に関する知識に明るくない方が多くいらっしゃいます。
そのため、専門的な作業は費用が発生してもプロに任せることをおすすめします。
上記より、収益は作業の代行費用を差し引いた金額で、計算をする必要があります。
おわりに
本記事では、貸別荘経営の始め方について、開業までの流れや手続きのポイントなどとあわせて解説しました。
下記、貸別荘を運営するまでの流れです。
- 貸別荘を始められるのかを調べる
- 行政に各種手続きを行う
- リフォームや設計、施工など利便性の向上を考える
- 施工会社を見つけ、見積もりを取ってから着工する
- 運営・清掃に関する代行会社を見つける
- 運営開始
ポイントとしては、十分に収益を得ることができるのか、自分の作業を最小限に抑えられているのかが挙げられます。
清掃や修繕などは一般の方には難しい・できない作業が含まれているため、プロに依頼する必要があります。
これから別荘を運営する方は、本記事に記載した流れに沿って対応していきましょう。
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【民泊運営専門家】榊原 啓祐(さかきばら けいすけ)
ハウスクリーニングや壁紙再生事業でフランチャイズ本部事業等を立ち上げ、僅か5年で400店舗以上を出店。民泊事業には2015年8月に参入し、現在では民泊運営と共に、リゾート地での貸別荘もスタート。ハウスクリーニングの経験から、民泊清掃の第一人者でもあり、これからの民泊業界を牽引する若き経営者。
【民泊運営アドバイザー】田尻 夏樹(たじり なつき)
バチェラー3に出演。温泉ソムリエの資格を持ち、観光系インフルエンサーとしての経験から宿泊業、民泊業に参入。 地域の魅力やおすすめスポットを発見し、快適な滞在に関する情報の発信も。
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