賃貸物件での民泊の始め方について|注意点からポイントまでご紹介
2024.03.22民泊運営・清掃「民泊運営」と聞くと、多くの方は自宅以外の物件を持っている方のみが実施できるものと思われるのではないでしょうか。
しかし、民泊は賃貸物件でも運営することができるため、自宅以外の物件を持っていなくても収益化が期待できるのです。
賃貸物件で民泊を行う際は、所有物件とどのような違いがあるのか、何に注意するべきなのかを理解する必要があります。
本記事では、賃貸物件での民泊の始め方について、注意点からポイントまでご紹介します。
賃貸物件での民泊運営は可能か?
結論として、賃貸物件でも下記の条件を満たすことで、民泊として運営することができます。
貸主(オーナー)の承諾を得る
民泊を始める際には、民泊新法に則り地方自治体へ届け出を提出し、許可を得る必要があります。
自分が所有している場合は自分がオーナーであることから、誰かの許可を得なくても良いものです。
しかし、賃貸物件の場合はオーナーが存在していることから、民泊として運営する際にはオーナーの許可が必要となります。
また、賃貸借契約で民泊が認められていないときは、そもそも民泊として運営することができません。
オーナーの許可を得て賃貸物件で民泊を運営する際、地方自治体に対してオーナーから承諾を得ている旨の書類提出が求められます。
無断転貸に関する規定
先述の通り、賃貸物件で民泊を運営する際には、事前にオーナーの許可を得ている必要があります。
オーナーの許可を得ずに、無断で賃貸物件を民泊として運営すると、無断転貸となってしまいます。
本来、マンションなどの賃貸物件はオーナーに費用を支払うことで、借り主が住居として生活を送ることが目的です。
無断転貸は上記の目的とは異なる利用用途であることから、用法順守義務に違反してしまいます。
オーナーの許可なく無断転貸を行うと、賃貸借契約そのものが解約となってしまうリスクが考えられます。
そのため、賃貸物件で民泊を始めたい方は、必ずオーナーの許可を得てから申請・運営しましょう。
賃貸物件で民泊を始めるメリット
こちらでは、賃貸物件で民泊を始めるメリットをご紹介します。
収益率が高い
民泊を運営する際に収益を大きく左右するポイントのひとつとして、運営している物件の稼働率が挙げられます。
民泊新法では営業日が180日以内と定められていることから、できるだけ稼働率を高める必要があります。
営業日数に制限があっても、稼働率が高ければ高い収益が期待できます。
賃貸物件は所有物件とは異なり、毎月の家賃は必要なものの固定資産税などの支払いが不要なため、収益率が高い傾向にあります。
いわくつき物件でも収益化が期待できる
賃貸物件のなかには新築や中古のものがあり、中古物件のなかには過去にトラブルがあった、いわくつき物件が含まれています。
ホテルや旅館のなかにもいわくつき物件が含まれていますが、告知義務がないため利用者に伝える必要がありません。
一方、マンションなどの賃貸物件についてはいわくつき物件に関する告知義務が設けられています。
賃貸の際には告知義務が発生しますが、民泊の場合は告知義務が設けられていないため、いわくつき物件でも収益化を実現することができます。
賃貸物件で民泊を始める際の注意点
下記にて、賃貸物件で民泊を始める際の注意点をご説明します。
賃貸借契約の確認
先述の通り、賃貸物件で民泊を始める前にはオーナーの許可や、締結した賃貸借契約の内容を確認することが重要です。
賃貸借契約に民泊としての運用が禁止されている場合、民泊運用を行うことができません。
しかし、オーナーに交渉することで、賃貸物件を民泊運営として利用できることがあります。
その際は民泊運営に関する記述を追加した賃貸借契約を締結する必要が発生することがあるため、それに応じましょう。
消防設備の充実
民泊を運営する際には、利用者の安全を確保するために下記のような消防設備を用意しておく必要があります。
- 火災報知器
- 誘導灯
- スプリンクラー
- 消火器 など
※必要な消防設備は所轄の消防署に確認しましょう
賃貸物件によってはこれらがあらかじめ取り付けられていることがありますが、なかった場合は自前で取り付けなければなりません。
また、賃貸借契約を解約する際に原状回復が求められるときは、これらを取り外さなければならないことがあります。
そのため、民泊運営の際にオーナーへ相談する際、上記もあわせて聞いておくと良いでしょう。
賃貸物件の民泊運営を成功へ導くポイント
賃貸物件の民泊運営で高い収益を得るためには、下記のポイントを押さえておきましょう。
入念にエリア選定を行う
民泊を運営する際、物件のエリアは今後の収益に大きな影響を及ぼす要素です。
自然が豊かだったり、都会へのアクセスが良好だったりする民泊には、多くの利用者が訪れる可能性があります。
近年ではインターネットで容易に物件情報やエリア情報などを参照できるようになったため、多くの情報を得やすいことでしょう。
人気がないエリアにある物件は利用予約が入りにくいため、賃貸借契約の締結やオーナーへの許可は控えることをおすすめします。
近隣住民の理解を得ておく
民泊を運営したときに発生することが多いトラブルのなかには、近隣住民からのクレームが挙げられます。
利用者がゴミ捨てのタイミングや騒音といった、ローカルルールを守らないことによりクレームが発生するのです。
少しでも迷惑をかける可能性があるため、民泊をオープンする前に近隣住民の理解を得ておきましょう。
トラブルが発生した際には借り主が迅速に対応することで、近隣住民の信頼を得ることができます。
安心できる民泊運営代行会社へ相談する
一見、民泊は物件があれば投資や株式購入などよりも、収益化が実現しやすいものだと感じる方がいらっしゃると思います。
しかし、民泊を運営する際にはさまざまな観点に注意しなければならないため、収益化が難しいと感じる方も多いでしょう。
そのため、民泊運営を代行業者へアウトソーシングすることも有効な手段です。
業者を利用することで、物件の借り主はほとんど手を加えずに収益を得ることができます。
おわりに
本記事では、賃貸物件で民泊を始めることができるのかについてご説明しました。
賃貸借契約書に民泊運営ができないことが記載されているときは、民泊として利用することはできません。
しかし、オーナーの許可を得ることができれば民泊を運営することができます。
民泊運営時には、入念にエリア選定を行うことや近隣住民の理解を得ておく、民泊運営代行会社へ相談することが重要です。
さまざまな方に許可・了承を得てから、賃貸物件で民泊運営を始めましょう。
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【民泊運営専門家】榊原 啓祐(さかきばら けいすけ)
ハウスクリーニングや壁紙再生事業でフランチャイズ本部事業等を立ち上げ、僅か5年で400店舗以上を出店。民泊事業には2015年8月に参入し、現在では民泊運営と共に、リゾート地での貸別荘もスタート。ハウスクリーニングの経験から、民泊清掃の第一人者でもあり、これからの民泊業界を牽引する若き経営者。
【民泊運営アドバイザー】田尻 夏樹(たじり なつき)
バチェラー3に出演。温泉ソムリエの資格を持ち、観光系インフルエンサーとしての経験から宿泊業、民泊業に参入。 地域の魅力やおすすめスポットを発見し、快適な滞在に関する情報の発信も。
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