民泊の許可申請について|必要な手続きから申請の流れを解説
2024.10.02申請・法律民泊については法令上の定義はありませんが、一般的には戸建てやマンションなどの住宅を第三者に貸し出すサービスを指します。
第三者に自分が所有している不動産を一定期間貸し出して収益を得ようと考えている方は、各種手続きが必要です。
手続きを行わず、特区民泊の認定や住宅宿泊事業法の届け出を行わなかった場合、旅館業法違反となって罰則が与えられます。
本記事では、民泊の許可申請について、必要な手続きから申請の流れを解説します。
民泊運営の代表的な3つの業態
民泊運営では、主に下記3つが代表的な業態となります。
民泊新法(住宅宿泊事業法)
民泊新法(住宅宿泊事業法)の定める民泊運営では、年間提供日数の上限が180日に定められています。
また、ゲストの安全や近隣住民の生活を担保するために、衛生や安全、騒音などに関する設備を用意することが求められます。
届け出については保健所に必要書類を提出する他、インターネットを介したシステムでも行えますが、いずれも時間に余裕を持って手続きを行いましょう。
旅館業法
大阪府における旅館業法の定める民泊運営では、来阪旅行者の利便性や快適さを向上させるために制定されました。
対象となる施設にはゲストが安全に滞在生活を送れるような設備が必要であり、事業を始める際には保健所の許可が必要です。
大阪市保健所から公認されている団体と偽って、入会費を不当に得る詐欺が横行しているため注意しましょう。
特区民泊(国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)
特区民泊(国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)とは、外国人旅行客向けのサービスを提供するための、国家戦略特別区域法に基づいた民泊施設です。
大阪府では大阪市・八尾市・寝屋川市などが対象であり、大阪府下においてはその他の地域では特区民泊事業を実施できません。
大阪以外では、東京都大田区、千葉市、新潟市、福岡県の北九州市が特区民泊可能地域とされています。
条件や詳細については管轄となる自治体によって異なるため、事業を検討している方は事前に自治体に確認しておきましょう。
各民泊に必要な届け出や手続き
こちらでは、各民泊に必要な届け出や手続きをご紹介します。
民泊新法
民泊新法の定める民泊運営では、原則として民泊制度運営システムからオンライン申請を行う必要があります。
紙媒体で申請する場合、各自治体の保健所に対して下記の届け出や手続きが必要です。
資料については国土交通省観光庁が提供している民泊制度ポータルサイトや各自治体のホームページを参考に作成、ダウンロードしましょう。
3つの業態の中では比較的容易であるため、個人で申請される方も多い傾向にあります。
出典:民泊制度ポータルサイト(住宅宿泊事業者の届出に必要な情報、手続きについて)
旅館業法
旅館業法の定める民泊を運営する際は、施設がある自治体の保健所に対して、特定の書類を提出する必要があります。
具体的には旅館業営業許可申請書や旅館業施設の建築計画届出書であり、条例や規則、要綱に則らなければなりません。
立面図や給排水系統図など、民泊新法に比べると必要な書類も増え、難易度が格段に変わってきますので、一般的には行政書士や行政書士とつながりのある運営代行業者に依頼することが多いです。
特区民泊
特区民泊による民泊運営を行う際は、県や市に対して「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業特定認定申請書」が必要です。
こちらの書類には、住民票の写しや賃貸借契約およびこれに付随する約款などが含まれています。
申請手数料は大阪市では21,200円であり、民泊を運営する際は事前に用意しておきましょう。
民泊新法に比べると難易度は高いですが、旅館業に比べると容易であることから、ご自身で申請される方も依頼される方も両方いらっしゃいます。
大阪で特区民泊を始めようとお考えの方は下記記事もご参考ください。
参考:大阪で特区民泊を始めるには?必要になる手続きや申請方法を解説!
民泊申請の流れ
下記は、大阪で特区民泊を運営する際に必要となる申請の流れです。
1. 事前相談
民泊運営の際は、運営可能なエリアなのか、ゲストの安全が確保できているのかなどさまざまなポイントを確認しなければなりません。
そのため、運営を検討している方は対象となる自治体に属する保健所や消防などに事前相談しましょう。
2. 近隣住民への事前説明
民泊運営は自分だけが儲かれば良いというものではなく、近隣住民に迷惑をかけない、トラブルは早急に解決しなければなりません。
民泊を行うにあたり、業態にもよりますが近隣住民への説明が義務付けられています。
申請時にも実施報告書類の提出が必要ですので必ず実施しましょう。
3. 認定申請
特区民泊を運営する際には、下記の書類が必要です。
- 国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業特定認定申請書
- 申請者が法人の場合:定款又は寄付行為および登記事項証明書
- 申請者が個人の場合:住民票の写し
- 賃貸借契約およびこれに付随する契約にかかる約款
- 施設の構造設備を明らかにする図面
- 施設の周辺地域の住民に対する説明の方法およびその記録
- 施設の周辺地域の住民からの苦情および問い合わせに適切に対応するための体制およびその周知方法
- 消防法令適合通知書の写し
- 水質検査成績書の写し
- 賃貸物件の場合:施設にかかる全ての賃貸借契約書の写し並びに所有者および賃貸人が事業の用に供することを承諾していることを証する書面の写し
- 分譲物件の場合:管理規約に違反していないことを証する書面
- 付近見取り図
- 居室内に備え付ける施設の使用方法に関する案内書
これらの書類は集めるまでに時間を要するため、余裕を持って集めておきましょう。
4. 実地調査
先述した書類を提出したあとは、自治体職員が書類の内容に相違がないかを確認するため、実地調査を行います。
申請内容に不備があった場合は修正が求められ、問題がなかった場合はそのまま認定書の交付手続きに進みます。
5. 認定書の交付
実地調査に問題がなかった場合、自治体から特区民泊運営の許可を示す認定書が交付されます。
自治体や時期にもよりますが、交付に1ヶ月程度かかることもありますのでご注意ください。
この認定書は要件の変更時や廃業などの際に必要となることから、大切に保管しましょう。
参考ページ:大阪市ホームページ「大阪市国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区)」
おわりに
本記事では、民泊の許可申請について解説しました。
民泊を運営する際にはまず運営可能な土地なのか、運営しても問題ない物件なのかを確認する必要があります。
その後は住民票の写しなどさまざまな書類を集める必要がありますが、個人で実施すると多くの時間を要してしまいます。
そのため、民泊を運営する際は代行会社に依頼することをおすすめします。
当社では民泊新法や特区民泊など、さまざまな形態の民泊申請の代行・サポートを行っています。
これから民泊を運営したいと考えている方は、ぜひご相談ください。
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【民泊運営専門家】榊原 啓祐(さかきばら けいすけ)
ハウスクリーニングや壁紙再生事業でフランチャイズ本部事業等を立ち上げ、僅か5年で400店舗以上を出店。民泊事業には2015年8月に参入し、現在では民泊運営と共に、リゾート地での貸別荘もスタート。ハウスクリーニングの経験から、民泊清掃の第一人者でもあり、これからの民泊業界を牽引する若き経営者。
【民泊運営アドバイザー】田尻 夏樹(たじり なつき)
バチェラー3に出演。温泉ソムリエの資格を持ち、観光系インフルエンサーとしての経験から宿泊業、民泊業に参入。 地域の魅力やおすすめスポットを発見し、快適な滞在に関する情報の発信も。
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